非常事態 と 非常食
非常事態とは
災害における非常事態とは、仮に阪神大震災直後のような状態といいかえます。
即ち、いわゆるライフラインの機能がマヒしている状態であります。具体的には次の
とおりです。
@ 水道、ガス、電気等が全て供給できない。
A 線路、道路、埠頭等のアクセスが破壊され、被災地区に隣接する諸団体からの緊急
支援が期待出来ない。
B 以上の状態が直ちに修復できず、数日間以上継続している。
C 被災者は避難所、倒・半壊家屋で生き長らえ、救助や復旧を待っている。
D 要するに、生産から流通、消費に至るまで衣食住の正常な生活がほぼ失われて
しまった状態ということが出来る。
非常備蓄食の定義
従来からの備蓄食は、下記に示すごとく、多くの問題を持っていました。そこで、これから
の非常用備蓄食の定義として、前述のような非常事態で提供出来るぬくもりのある食事
を「非常備蓄食」と定義いたします。
「温もりのある食事」とした理由は、不測の事態が発生した際に公共的な立場からは、健
者のみならず幼児、高齢者、さらには糖尿病やアレルギー疾患など軽度の疾病をかか
えている「弱者対策」も重要な因子として視野にいれておかなければならないからです。
非常用備蓄食の「もの」としての側面を見ると同時に、非常用備蓄食を食べる方の心情
をも考慮し、「ぬくもり」という言葉を入れております。
今までの非常備蓄食の問題点
阪神大震災のような非常事態に対応できる食事を非常備蓄食としたのは、既存の
備蓄食が先の大震災時に十分機能しなかったからです。
@ アルファ化米、カップ麺、レトルト食品のような調理済みのものも、熱湯をそそぐとか、
温めるということがないと食べられません。 電気、ガス、水道がストップしてしまって
は、ごく簡単な調理さえも出来ない。つまりこれらは、完全な調理済み食品では無い
ということが顕わになった訳です。アルファ化米は水でも食べられますが、温もりが
有りません。
A 缶詰はプルトップが無いと食べられません。 最近のものは缶ビールやジュースの
ようにプル トップを付けた物も出て参りましたが、主食のご飯と、肉、野菜、魚等の
副食がセットになって いなければならず、冷たい缶詰のご飯などは、何回も食べら
れたものではありません。
B 乾パンはそのまま食べられるので、非常備蓄食としての条件を満たしております。
ただし、お年寄りや乳幼児にとっては硬くて食べることが出来ません。 又、無味
乾燥であるとして、近年の食生活に慣れた若者たちも多く食べ残したと聞いて
おります。あまり食べられなかったとすると、経費の無駄も含めて一考しなけれ
ばならないと思います。「ぬくもり」が足りないとでも言えるでしょうか。